My Little Life

in America

フランス人の友達だけが知っている、わたしのもう一つの名前

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イギリスにいた頃、わたしにはフランス人の友達がいた。

彼女はパリ生まれのパリ育ちという生粋のパリっ子で、細身でスラッと背が高く、少し天然のパーマのかかったブリュネット色の髪の毛を持っていて、わたしの「パリの女の子」に対するイメージ通りの女の子だった。

 

そんな彼女は、出会った最初の頃わたしの名前がうまく発音できなかったらしく、しょっちゅう「coco」と間違ってわたしのことを呼んでいた。(わたしの名前とcocoは発音が似ているらしい)

 

はじめの数回は訂正したりしていたのだけれど、だんだん面倒くさくなったのと、cocoという名前が単純に好きだなあと思っていたのとで、途中から訂正するのをやめてそのままにすることにした。

 

イングリッシュ・スピーカーにとって発音が難しい名前を持っている中国人や韓国人も、大抵イングリッシュネームを持っていたし、発音が難しくてあまり名前を呼ばれないよりかは、より簡単なもう一つの名前をつくってたくさん呼んでもらえる方がずっとうれしいと思う。

 

わたしの名前をすごく言いづらそうにしているイギリス人にも何人か会ってきたので、わたしももっと簡単なイングリッシュネーム作ろうかなあと考えたこともあった。

でももし作ってしまうと、慣れるまで時間かかるだろうなあとか、自分の本当の名前で呼ばれないのってなんかやだなあとか、作らない言い訳ばかりが浮かんでいたときにちょうど彼女に出会ったので、自分の意志というか、知らないうちに彼女によってわたしの新しい名前がつくられた感じ。

 

まあ結局最後まで彼女にしかその名前で呼ばれることはなかったのだけど。(いちいちcocoになったよ、と周りにいうのも面倒くさかった)

 

 

その後彼女とお別れしてわたしはアメリカに渡ったので、もうその名前で呼ばれることもなくなった。

ここでcocoという名前をイングリッシュネームとして使おうかとも思ったけど、アメリカ人にとってわたしの名前の発音はそんなに難しくないらしくみんなきっちり発音して呼んでくれるので、結局使わずじまいになっている。

 

彼女だけが知っているわたしのもう一つの名前、というのも何か特別なものを共有している感じがして好きなのだけど、なんだかんだ気に入って若干愛着の湧いたこの名前をどこかで使いたいというのも本音。

わたしのペンネームであるcocoは、そうやって決まったのです。

 

 

なんだか彼女にcocoと呼ばれるのが恋しくなったのでかいてみた。

パリで元気にやってるかな。